第八識は一切の処に遍く存在し、五蘊世間の一切法の処に遍満する。五蘊世間法の存在する所には必ず第八識が執持しており、第八識が某の法を執持しなくなれば、その法は滅して現れず。
第八識は生滅せず、形相なく来去なし。各法に来去の相を有さぬが、五蘊世間法の生滅相を観察すれば第八識の来去相を知る。法が現れた時、第八識がこの法に来たことを示し、法が滅した時、第八識がこの法を離れたことを示す。実は第八識が法に来去するのではなく、第八識が種子をもって法を生じさせ、法に第八識の執持作用が現れる。第八識が法を執持せず種子を収めれば、法は第八識を離れて滅する。
同様に、第八識は五蘊に来たことも去ったこともない。第八識が種子をもって五蘊を生じさせた故に、五蘊は第八識を離れず関連を保つ。第八識が種子を収め五蘊を執持しなくなれば、五蘊は消滅して第八識と分離する。この過程において第八識は決して来去せず、微動だにせず、五蘊世間相のみが来去して第八識と聚散する。故に第八識は来去なく、時間・空間・距離の概念を超越するのである。
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