ある人はウイルスが最も平等であると言います。貧富や権力の有無、男女老少を問わず感染しますが、ある人はウイルスに感染せず病気にもなりません。しかし死は違います。どんな人も必ず死にます。四禅定を修めた人は寿命を延ばせますが、結局は五陰身を滅します。仏陀は数大劫どころか無量劫も世に住することができますが、やがては退位し、自ら建立した国土を離れます。
もし因果がこの世に属するものであれば、因果が最も平等なのです。善には善の報い、悪には悪の報いがあります。時至れば善悪の報いが現前し、逃れることはできません。
人の一生はすべてを所有できますが、死後はすべてが無用になります。金銭、権力、地位、名誉、知識、学問、眷属、家庭など、死という事柄に対しては何の役にも立ちません。この時観察すれば、一生に造った善悪の業だけが心に従って持ち去られ、善悪の業報を受けることができ、他はすべて享受できなくなります。故に知るべきです。智者が世俗で一生を過ごす中で最も追求すべきものは何か、何が最も自らに福利をもたらすか、何が自らに苦痛と貧窮卑賎をもたらすか、何が永遠に得られず持ち去れないかを。
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