意識が体外に離脱する現象においては、第一に禅定の境地にあり、第二に意識が極めて独立した反照性を有し、自らの身体状態を反観し、自らの心念と感覚を省察することが可能となります。ただし、意識が身体から離れていない状態の反照とは異なり、より客観的であり、あたかも別の人物を観察するかのようであります。これは人の離魂現象に極めて類似しており、手術中の者が六識が滅して感知を失った状態、あるいは昏倒・死亡後に識神が身体を離れ、自らの肉体を俯瞰しつつ復帰を試みんとする状態と相通じます。両現象は本質を同じくしつつも心境を異にするものであります。意識が離脱後の身体は木石の如く感覚・情動を失いながらも活動可能であり、意識は自らの肉体をあたかも他者の物体を観察するが如く認識するのであります。
0
+1