悪業や殺生の業を造作するのは意根が主導し、六識によって造作されるものです。しかし意根単独の心理活動もまた業行であり、意業と呼ばれます。これも種子を残し、果報をもたらし、すなわち生死輪廻の苦しみとなります。身口意の三業の中では意業が最も重要で、その力が最も強いのです。なぜなら身行と口行は直接、意根の意行によって指揮され制御されるからです。意根が貪瞋痴を起こして造作する身業口業は故意の作行と呼ばれ、意根が貪瞋痴を起こさずに造作する業行は無意識の作行と呼ばれます。故意に悪業を造作する場合は罪業が大きく深重で、性罪性業を有します。無意識に造作する悪業は罪業が軽微で、性罪性業はありません。
畜生道の生き物が互いに食い合う行為は、意図的と無意識の中間に位置します。単に飢えを満たすためであり、殺意や瞋恨心がないため、造る業は比較的小さく、悪業も軽微です。性罪や性業がなく、借りを将来返済すればよいのです。畜生道の一期の悪業が終わると人間に転生できますが、人間が再び悪業を造れば三悪道に堕ちて報いを受けます。このように衆生は六道を生死輪廻しますが、人間の身における業行が最も主要な決定要因となるのです。
0
+1