原文:性色真空、性空真色。性水真空、性空真水。性火真空、性空真火。性風真空、性空真風。
釈:宇宙器世間の地水火風は如来蔵の四大種子より成る。故に地水火風の性質は即ち四大種子の性質なり。四大種子は形相無く空なるが故に、地水火風は即ち空性なり。四大種子の性質は如来蔵性なるが故に、地水火風の性質も即ち如来蔵性、即ち妙真如性なり。如来蔵は四大種子を蔵するが故に、四大種子は宇宙器世間の地水火風を生ず。地水火風は即ち如来蔵性にして、如来蔵が四大種子を以て転成したものなり。されば如来蔵は地水火風性を蔵し、また地水火風の性質を具えたり。如来蔵は地水火風に非ず、即ち地水火風なり。如来蔵と地水火風は一ならず異ならず。
性空とは如来蔵の空性を指す。如来蔵より生ずる万法の性は空にして実ならず、如来蔵の一部の種子流注によりて生ず。故に如来蔵の一部は色と成り、一切色法の本質は即ち真実の空性心たる如来蔵なり。空性心如来蔵は一切の色相を生ずるが故に、一切の色相も即ち如来蔵性なり。性色真空とは、色相の性質の本質は即ち如来蔵、真実の空性心たる如来蔵性なり。これは『般若心経』に云う「色即是空、空即是色」と略同じ。同理により、水火風も如来蔵と此の関係に在り。
2
+1