衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
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日常開示

2020年03月21日    土曜日     第1 回の開示 合計2223回の開示

四大・六大・七大の概念

四大とは地・水・火・風であり、物質色法を形成する種子であります。物質色法を細分し、これ以上分割できない極限に至ったものを四大極微と申しますが、これは四大種子そのものではなく、依然として四大種子によって構成されたものであります。

楞厳経における七大とは地・水・火・風・空・見・識を指し、衆生世間を構成する七つの要素となります。四大と空は物質色身の色蘊を形成し、識は衆生の識陰・受陰・想陰・行陰を構成します。大種性自性とは四大種子の機能を指し、六大と申します場合は地水火風空識を指し、見大は含まれません。この「見」も如来蔵に内在する種子であり、如来蔵自体が備える見性を指し、仏性と称されます。見大を除くことにより、七大を六大に縮約することが可能となります。

地水火風の四大種子はこれ以上分割できませんが、四大によって構成された物質は分割可能で、極限まで分割したものを鄰微塵と申します。地も水も火も風も全て四大によって構成されており、ただ四大の配合比率が異なることにより、様々な物質が形成されるのであります。

四大極微も四大によって構成された物質色法であり、これ以上分割できない鄰虚塵に至り、ほとんど無に近づきます。この鄰虚塵も依然として四大によって構成されておりますが、極めて微細であります。物質を鄰虚塵まで細分するとは、物質の四大種子を分散分解して地性部分・水性部分・火性部分・風性部分とし、物質を解散消滅させ虚空に帰することを意味するのではなく、物質自体を極微細な物質粒子に分割することを指します。

如来蔵には地・水・火・風・空・見・識の七大種性が具わっており、全て如来蔵性であります。如来蔵には元来この七大種子が存在し、様々な縁によって五陰十八界と世間万法が顕現します。従って世間の一切法は全て如来蔵性であり、七大種子の和合によって生じるのであります。

空性は形なく、色法によって顕現されます。虚空には形相がなく、色法の境界以外の場所を仮に虚空と名付けます。物質の中にも空は存在し、身体の中にも空があります。物質のない場所を仮に空と称しますが、空は実体あるものではなく、色法によって顕れるのであります。楞厳経において世尊は例えを挙げられました。土を掘り井戸を穿つ時、土が出ればそれが空となり、空が顕れるのであります。業に従って現れ、業の顕現に伴い空が眼前に現れますが、その本体は如来蔵であります。見覚は無知ながら、色空によって存在します。色を見、空を見、明を見、暗を見るこの見精は如来蔵より来たり、色空や明暗から出ず、また自ら現れるのでもありません。見聞覚知は本来如来蔵に具わるのであります。

例えば一つの見根は法界に遍満し、聴覚・嗅覚・味覚・触覚、覚触と覚知は妙徳が瑩然として法界に遍満します。妙とは如来蔵より来るが故に妙であり、如来蔵の性徳を具え、縁に随って法界に遍満し、縁あれば即ち現れるのであります。

識性には根源がなく、六種の根塵の妄りによって現出します。六根が六塵に触れる時、如来蔵は六識を生じます。六根は虚妄、六塵は虚妄、六識もまた虚妄として現れます。何故虚妄かと申しますと、如来蔵より生じ出されたものであり、本来より存在するものではなく、真実ではないからであります。如来蔵が六識に識種子を送ることで、六識は機能作用を有し、六塵を了別できるのであります。大とは大種性自性を指し、如来蔵中の種子であります。如来蔵は様々な縁に依って種子を出力し、世間万法を生じさせるのであります。

世間相における地などの形状ある物質は、地水火風の四大種子が和合して形成されます。地には地の種子のみならず、水の種子、火の種子、風の種子も含まれております。例えば石には地の堅固性があり、打撃により火花が生じれば火性の存在を示し、土石流の発生は石に水性のあることを証明し、石の中には空間(空性)が存在し、空間あれば風の存在、即ち風性が具わります。外界の物質は全て大種性の和合によって生成され、単一の種性物質ではないのであります。

識は有情衆生特有の機能属性であり、物質色法には存在しません。故に物質色法を無情物と称します。妙とは如来蔵性を指し、これこそ真の妙であります。形相なくして多くの利用価値を具え、無所有ながら数多の法を生じ、真空でありながら妙有を現じます。如来蔵は刹那も我々を離れず、永遠に不離不棄でありながらも、混在することなく存在するのであります。

——生如法師の開示
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『楞厳経』第四巻語釈

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