すべての感受は虚妄の想いであり、実体なく自らを欺くに過ぎぬ。自らの欺瞞を知ることは覚醒の前兆なり。如何にして自らを欺くかを知り、如何に再び自らを欺かぬかを悟る時、真の覚醒を得て解脱に至る。
人々は皆この感受を中心に生き、ただ感覚に縛られておる。感覚とは何か。苦しみながらも自らを良しとする者は幾人か。悪業を重ねて更なる苦を受ける者は幾人か。これらは全て無明と煩悩の為せる業なり。愚痴がもたらす苦しみを、果たして誰が悟り得よう。自己満足とは、内に我を抱きてその我に満足し、ただこの我を顕示するに心を満たすものなり。逆境に遇えば怒り怨みを生ず。何故か。内なる我が傷つけられ、苦悩を覚えるが故なり。これこそ衆生の我相なり。
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