原文:化理は住することなく。運運密かに移る。甲は長じ発生す。気は銷け容は皺む。日夜相代わり。曾て覚悟すること無し。阿難。此れ若し汝に非ずんば。云何ぞ体の遷る。もし必ず是れ真ならば。汝何ぞ覚え無き。即ち汝が諸行は。念念停まらず。名けて幽隠。第四の妄想と為す。
釈:身体の変化は決して止むことがなく、刹那刹那に密やかに運動変化しております。例えば爪が伸び、髪が生え、血気が衰え、容貌に皺が寄り、身体の諸機能が日夜新旧交代しているにも拘わらず、自らはまったく覚知することがありません。阿難よ、これらの行陰がもし汝でないならば、何故汝の身体は変化するのでしょうか。もしこれらの行陰こそ真実の汝であるならば、何故汝は悟りを得ず気付かないのでしょうか。故に汝の全ての念念とどまらぬ行陰を、幽隠なる第四の妄想と申すのであります。
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