原文:阿難よ、世間の一切の修心する者、禅那を仮らずんば、智慧あることなし。
釈:仏が説かれたように、世間の一切の修心する者が禅定によらずんば、智慧を生じることは不可能である。禅定によってこそ自心を降伏させ、自心が清浄になってこそ、効果的に観行を体究し、智慧を実証することができる。禅定がなければ、心は濁った水のごとく清き影を現さず、静かに深く細やかに観行し思考することができず、ただ情思の解釈に留まり、実証することはできない。このように説くものは仏説と為し、これに非ざるものは魔説と為す。
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