大多数の者の意識は智慧がなく、妙なる観察智が存在しないため、末那識を観察することができず、末那識を理解しないが故に、末那識を愚か者として扱います。識が智に転じた後に妙観察智を備えた意識のみが、末那識の運行を現量で観察し、それによって末那識の深遠で微細な体性・機能作用及び心所法を明らかにすることができます。識を智に転じるには初禅定を具え、煩悩を断じ、初地以上の菩薩となり、唯識種智を備える必要があります。意識に覆いがなくなって初めて、末那識の働きを明瞭に観察できるようになります。これと同時に末那識も識から智へと転じ、大いなる智慧を具え、その心所法は地前の菩薩とは異なるものとなります。
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