自らの嫉妌心が生じた時、内省して観察し、何故嫉妌するのかを分析せよ。慢心が生じた時も同様に内省し、如何にしてこのような慢心が生じたのかを観照せよ。原因を見出した後は、学んだ教理をもって自らを諭し、嫉妌心と慢心を調伏せねばならない。証果と初禅定に至るまでは、これらの煩悩を調伏することはできても断除することは叶わぬ。凡夫が嫉妌心を生ずるのは、他者が己の存在を凌駕し、自己の「我」が顕現せず、望む利益を得られぬためである。心中に我と人とを立てるが故に相互に比較し、何人も己を超え優れることを望まぬ。
嫉妌心の故に、いかなる団体にも是非紛糾が生じ、互いに排斥し圧迫し、勢力と資源を奪い合い、争いが避けられぬ。三宝の団体においてこの嫉妌心を調伏せねば、容易に僧伽を分裂させ、もし僧団の分裂を招来せば、それは無間地獄の罪業となる。
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