衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年05月17日    日曜日     第1 回の開示 合計2345回の開示

記憶と失憶の原理

問:12年前、私は脳の重度の酸欠により機能障害を起こし記憶を失いました(これが医師の診断結果です)。特に人物や出来事に関する記憶で、医師からは「永久に回復しない可能性があり、記憶力を強化する薬を服用して日常生活に支障がないようにするしかない」と言われました。その後丸12年間、私の記憶力は極端に低下し、人の顔が覚えられず、直近の出来事もすぐに忘れてしまう状態が続きました。

今年のパンデミック期間中、武漢で一人暮らしをしていた数十日間、周囲が特別に静寂に包まれたある日、突然過去の人事が脳裏に鮮明に蘇りました。慌てて母に電話すると、母は詳細に質問し、本当に記憶が回復したことを確認しました。しかしこの12年間の記憶は依然曖昧です。私は真相を知りたいのです。記憶喪失と回復の間に何が起こったのか。また性格について、記憶回復後は幼少期の自分に似て、雑念がなく集中力があり自制心が強く、睡眠時間が少なくても一日中元気で、この12年間の自分とは全く異なり、脳が非常に活性化しています。師父、この現象の答えを心から知りたいのです。

答:脳が酸欠状態だと、気血が正常に運行できなくなり、血液中の栄養素を合成できず、血液供給が不足します。血液供給が不足すると、脳機能を司る勝義根が対応する四大種子を欠如させ、脳機能障害を引き起こします。脳機能が損なわれると、六塵(法塵と独影境を含む)を正常に受け入れられなくなります。根と塵が正常に接触しなければ、意識が生起して過去を回想することもできません。これが記憶喪失の原理です。

今回のパンデミック期間中、閑暇ができて意根の攀縁が減り、無為に過ごしたため意識の攀縁も減少し、妄想が少なくなり、意識と意根が禅定状態になりました。心が静寂に向かうと、意根が身体に執着しなくなり、気血の運行が円滑になり、四大の供給が均衡を取り戻します。脳が栄養を補充され機能が回復すると、再び法塵と独影境を受け入れるようになり、意識が独影境を了別して回想機能が蘇ります。

しかし病中の12年間、脳の勝義根が損傷していたため、意識の了別作用が微弱で曖昧模糊としており、如来蔵には明晰な了別の種子が蓄積されていませんでした。回復後も如来蔵から現行可能な独影境の法塵が存在しないため、この12年間の状況を意識が回想する際には曖昧さが残ります。

この12年間、意識が微弱だったため、意根を熏習し制御する力がなく、意根は本来の性格特性を顕現させていました。12年前は意識が強盛で、意根を効果的に制御・熏習でき、意識の性格や気質が主導権を握っていました。現在意識が記憶を回復し機能が強化されたため、12年前の性格・気質・習性が再び継続されることになります。

——生如法師の開示
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