執着する果位と証果もまた我見である

今、外を見れば悟りを開き証果を得たと称する者が数百、数千といて、聖人たちが街を埋め尽くさんばかりである。しかし、これほど多くの聖人たちの心性煩悩において、悟り後の状態は悟り前と何ら変わるところがなく、いかなる思想境界も三昧境界も見られず、身口意においては従来通り、むしろ以前よりさらに染まっており、慢心は以前よりさらに増している。どうしてそれらの人々が真に証果を得て明心したかどうかを証明できようか。全く証明できないのである。三十七道品も修しておらず、戒定慧は全く具わっておらず、多くの者はただ意識的理解の次元に留まり、知識層面の悟解と掌握に過ぎず、さらに多くの者は理論的知識すら備わらず不完全で、意識境界すら相応できず到達していない。ましてや意根に至っては言うまでもない。

故に今世の中では大妄語を語る者が実に多すぎる。何故大妄語を語るのか？我見が重く、自我を執着する者こそ大妄語を語るのである。我見が軽微な者は、極めて慎重に、非常に注意深く、きわめて事実に即して行動し、至る所で検証を求め、自らの修行状態が真に証を得たものかどうかを確認する。決して軽率に自己を高めたり「私は如何ほど」などと語ったりはしない。我見の重い者がもし自ら証果を得たと思い込んだ場合、あなたが「それは証果ではない」と告げれば、直ちに逆上するであろう。何故逆上するのか？彼は証果という事柄に極めて執着し、自らが聖人であることに強く執着し、自らが人並み外れていることに固執し、果位と身分に深く執着し、自らの果位と身分を極めて気にかけているからである。

このような執着は、彼の心に依然としてあの「我」が存在し、以前と変わらず、あるいは以前よりさらに重くなっていることを示している。もしあなたが「意識の証果は真の証果ではなく、情思意解や推測推理は証果に当たらず、必ず意根の証果でなければならない」と告げたならば、彼は自らの果位と名誉を守るために様々な反対論駁や攻撃を繰り出し、全く思考せず反省せず、事実を顧みることなく、ましてや自省することはない。なぜなら彼の心には「我」が存在するからである。その証果を得た我、非凡なる我、人並み外れた我、高みに立つ我を実体あるものと見做し、特にこれを守護し、また果位を自らが実体として所有するものと見做し、特にこれを守護する。これはこの者が我見を全て保持しており、全く証果を得ていないことを示している。真に我見を断じ、智慧が次第に増長した後こそ、様々な心行の者たちの心中に我があるかどうか、我見を断じた者であるかどうか、どの程度の我見があるか、非常に深刻であるかどうかを判断する能力が具わるのである。