身根とは、身体に属する器官や部位全体を指します。身体に生じているものは全て身根の一部に属します。目や耳、鼻、舌は身体の頭部にありますが、これらも身根の一部です。ただし、目が「見る」という機能を発揮する時は眼根となり、身根ではありません。耳が「聞く」作用を果たす時は耳根、鼻が「香りを嗅ぐ」時は鼻根、舌が「味を嘗める」時は舌根となり、それぞれ身根に属しません。
目は眼根に属するのか、それとも身根に属するのでしょうか。耳は耳根か身根か。鼻は鼻根か身根か。舌は舌根か身根か。まばたきは身根の作用か、それとも眼根の作用か。これは身識の活動か、眼識の活動か。まばたきは身根の動きであり、身識の行為です。眼識の機能は色(しき)を見ることであり、まばたきは色を見る行為ではないため、眼識の作用ではありません。目という部位の活動ではありますが、色を見ることに関与しないためです。眼・耳・鼻・舌が色を見る、声を聞く、香りを嗅ぐ、味を嘗めるという作用を発揮しない時、これら四根は身根上に存在するものとして身根に属します。各根が本来の機能を発揮する時のみ本根となり、機能していない時は身根に属するのです。
同様に、耳の痛みは身根の作用であり、身識の覚受です。耳根の機能ではなく、耳識の覚受ではありません。耳根が声を聞く作用を発揮する時、耳識が声を聞いて初めて覚受が生じます。痛みは身根における受(じゅ)に属します。鼻のかゆみも同様であり、舌の痛みもまた身識の覚受です。鼻を切り取ったり、舌を切り取ったり、耳を切り取ったり、目を傷つけたりすることは、全て身根を損なう行為です。もしそれと同時に各根の機能作用も破壊された場合、眼根・耳根・鼻根・舌根を損なったことにも等しくなります。
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