監視モニターの魚はなぜ実際の魚より多いのか

朱清時は言った：私たちの世界はまるで大きな金魚鉢のようで、その中を一匹の金魚が泳いでいます。仮に少なくとも二台のカメラがあるとしましょう。一台は横から金魚鉢を観測し、もう一台は後ろから観測します。別の部屋には二台のモニターがあります。監視モニターの部屋に入った人は、金魚鉢の中に二匹の金魚が見えるでしょう。この二匹の金魚は姿が異なります。なぜなら一匹は尾びれの方向から、もう一匹は横からの映像だからです。この二匹の金魚は不思議なことに、片方がどんな動作をしても、もう一方が即座に反応し、常に同期しています。

監視モニターはブラックボックスに相当し、人は六識に相当します。六識がブラックボックスの中で六塵の境界を見る様は、人がモニターの映像を見ることに似ています。モニターは別の部屋の金魚鉢の一匹を監視しているのに、なぜモニターでは二匹の異なる金魚が見えるのでしょうか？二台のカメラがそれぞれ異なる角度からこの一匹を撮影しているため、取得される映像が異なり、あたかも二匹の魚が存在するかのように見えるからです。

監視モニターはブラックボックスに相当し、ブラックボックス内のものは外界に似た幻の仮相です。しかし完全に相似しているとは限らず、大きな誤差が生じる可能性もあります。六識はこのことを知らず、自分が真実の相を見たと思い込んでしまいます。この誤解は甚だ大きいと言えます。もし部屋の異なる方位に十台のカメラを設置すれば十条の金魚が撮影され、百台設置すれば百匹の金魚が映し出され、モニターには十匹百匹の異なる金魚が見えるでしょう。一定の数に達すると、これらの異なる角度の金魚が合わさって、一匹の完全な金魚となります。楞厳経で仏が楞厳壇城を設置する際、道場に八稜鏡を配置したのは、まさにこの原理によるものです。