(三)原文:我この時に是の念を作す。何の法無きを以ての故に則ち老死無し。何の法滅するを以ての故に老死滅す。即ち正思惟す。生の如実無間等なり。生無きを以ての故に老死無し。生滅するを以ての故に老死滅す。是の如く生・有・取・愛・受・触・六入処・名色・識・行を広説す。
釈:仏は説かれた。我この時またかくの如き疑念を生ず。いかなる法が無ければ老死は無くなるか。いかなる法が滅すれば老死は滅するか。すなわち正思惟に入り、後に如実無間断の智慧を生じ、生が無ければ老死は無く、生の現象が滅すれば老死は滅すると知る。かくの如く思惟を続ければ、三界の有が消失すれば生は現れず、三界の有が滅すれば生は滅することを証得する。取が無ければ三界の有は無く、取が滅すれば三界の有は滅す。
貪愛が無ければ取は無く、貪愛が滅すれば取は滅す。受が無ければ貪愛は無く、受が滅すれば愛は滅す。触が消失すれば受は消失し、触が滅すれば受は滅す。六入処が無ければ触は無く、六入処が滅すれば触は滅す。名色が無ければ六入処は無く、名色が滅すれば六入処は滅す。六識がもはや身口意の業行を作さなければ名色は滅し、六識の業行が滅すれば名色は滅す。意根の心行が無ければ六識の業行は無く、意根の心行が滅すれば老死の業行は滅す。
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