元来存在しなかったものが今存在するようになった、後天的に現れた法は、すなわち依他起性であり、因縁によって生じた法である。因縁が消滅すれば、依り所とした他が変化あるいは消滅するに従い、法もまた変化し消滅する。
世間の人が依他而起の法に貪着を生ずることは、すなわち遍計所執性である。因縁に随順して依他起の法を円満成就させ、および依他起性・遍計所執性を形成し顕現させるもの、これを円成実性という。自らの遍計所執性を観察すれば、いかに愚痴無明であるかがわかる。すべての世俗的習慣はこのように形成され、依他起の法がかくも虚妄不実であるにもかかわらず、執着を起こし、習慣を形成し、ついに心中に深く根を下ろして堅固不抜となり、生死の惑業苦がここから生じる。
皆様に観行の課題を提示する:自他の中秋節への執着を観察し、遍計所執性から生ずる虚妄性・愚痴性を思索せよ。依他起法の虚妄不実性を観ぜよ。常にこのように観察すれば、多くの世俗的無意味事を見破ることができ、衆生の習慣によって形成された虚妄不実性をも看破し、一切法の生滅変異性を見極め、それによって貪着を軽減することができる。
無から有へと人為的に規定された中秋を、あたかも固有のものとして執着し、習俗として固執することは、皆自分自身に枷をはめるようなものである。
1
+1