十二因縁による生死の連鎖

無明（意根の無明）──行（意根の選択思心所法）──識（六識）──名色（五陰）──六入（六根）──触（六根が六塵に触れる）──受（六識の受、意根にも受あり）──愛（六識の愛、意根にも愛あり）──取（六識の取、主に意根の取）──有（三界世間）──生──老病死苦。

意根は無明によって心を動かし、選択を下し、業行を造作せんと欲する。これにより六識が生じて身口意の業行を造作し、三界世間に業種を残す。業種が存在すれば必ず後世が生じ、中陰身の意根は業に随って胎内に入り、最初の名色を得る。その後六入が次第に具足し、触が現れる。触に随って識の受覚が生じ、受があれば貪愛が止まず、ついに受と塵境を執取する。業種が残存し、後世の有は必ず継続して生起し、後世の生が現前する。老病死は必然的に生じる。

名色は、最初は意根と受精卵であり、最終的には五陰身となる。入胎時には意根と阿頼耶識が胎内に入り、受精卵と合わさって名色となる。完全な名色とは六識・六根・六塵、すなわち十八界を指す。では名色はどの識に縁って生じるのか。どの識を媒介として生起するのか。前世の六識を必要とする。六識の造作が来世の五陰身となる業種を残すため、種子あって初めて五陰身が存在しうる。名色が具足して初めて内外六入の触が可能となり、その後今世の六識が生起する。六入が具足して五陰身が完成し、六識は身口意行を造作しうる。こうして再び業種を残し、来世の五陰身を潤し、衆生はこのように生死を繰り返す。

生死輪廻の苦より解脱せんと欲すれば、六識は再び業種を残す造作を止めねばならない。六識の造作停止は完全に意根の思心所にかかっている。意根が業行を造作せんとしなければ、六識は身口意行の種子を残さない。意根の思心所に行が無い状態を実現するには、意根の無明を打破せねばならない。意根の無明を打破するには四聖諦法を修習し、十二因縁を修め、定観行を実践し、五陰世間が空無我であることを証得すれば、次第に解脱が成就する。