タイは仏教を信奉する国ですが、我が国の宗派とは異なり、上座部仏教(小乗仏教)を信仰しています。小乗と大乗の最大の違いは、小乗が自己利益の追求を目指すのに対し、大乗は利他を追求することにあります。大乗仏教では利他即ち自己利益であると説き、人我に二つ無きことを悟ります。この核心思想は、我が国の伝統文化における儒家の「家国天下」の理念と脈絡を通じるものであり、ゆえに大乗仏教が最終的に我が国で儒教・仏教・道教の融合を形成したのには理由があるのです。
一方、小乗は西洋の個人主義に類似しています。個人主義と集団主義は東西文明の論争の焦点となってきましたが、雄弁は事実に勝るものです。集団主義は異なる民族が重大な生存危機に直面した際、多大な貢献を果たした選択的記憶と言えるでしょう。太平の世にあっては常に議論の的となりますが、本年における新型コロナウイルス対策において、我々は人類社会で最も優れた回答を提出しました。これら全てが証明しているように、少なくとも西洋が誹謗するほど脆弱なものではないのです。
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