四聖諦そのものは生滅法ではあるが、この理は常住する。仏が出世するか否かにかかわらず、この理は存在する。三界世間がある限り、四聖諦の理法があり、十二因縁の理法がある。この常住は阿頼耶識の常住とは大きく異なり、混同してはならない。法華経に云う「是法住法位、世間相常在」もこの意である。阿頼耶識が存在する限り、世間相は存在する。阿頼耶識の出生に従い、阿頼耶識があれば必ず世間相があり、必ず四聖諦と十二因縁法がある。
常には世間の常と出世間の常がある。真には世間の真と出世間の真がある。どの常いかなる真であるかを弁別するには、文脈と言語的意味に基づき、より多くは義によって判断すべきで、語によって判断すべきではない。故に智慧の判断力が重要である。
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