浄飯王が世尊に礼拝を捧ぐ
世間のすべての人々、三界(欲界・色界・無色界)のすべての衆生は、仏陀の法音を聞くやいなや大いなる歓喜に満ちました。浄飯王が初めて仏に謁見した時、世尊が家を出て雪山で修行されて以来、初めて御子の姿を拝した父王の情愛がなお残り、仏を我が子として見做す心が生じました。初対面の瞬間、浄飯王は依然として自らを父王と認識し、仏を子として遇するべきだと考え、世尊が礼を尽くすのを待ちわびて立っておられました。しかし世尊もまた対面の場に立ち尽くされました。なぜなら三界の至尊たる自覚があり、父王たる浄飯王こそが凡夫であることを御存知だったからです。その時、世尊の弟子が浄飯王に申し上げました。「世尊は今や三界の至尊でいらっしゃいます。速やかに礼拝なさるべきです」これを聞いた浄飯王は即座に悟り、直ちに世尊に五体投地の礼を捧げたのでした。
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