大王。内水界とは何か。
原文:大王。この身の内に所有する執受、湿潤等の性質、涎唾脂髄、膿血便利、これをもって内水界と為す。
釈:大王、内水界とは何か。この身体の内にあるすべての湿潤性、すなわち涎・涙・汗・鼻水・脂肪・膿血・大小便など、これらすべてが内水界に属します。
地界は外地界と内地界に分かれ、内地界とはこの身体内の堅固性を指します。水界もまた内水界と外水界に分かれ、身体内の湿潤性が内水界です。水の特性は湿潤性であり、例えば我々が感動すれば目に涙を浮かべますが、涙が流れ落ちずともその湿潤性は水の性質です。身体が熱せられて汗をかく時、汗珠が現れなくとも湿潤気は存在し、これが水の性質です。
皮膚の中にも水があり、もし水がなければ乾燥して皺が寄り、潤いが失われます。実際、髪の毛にも水界があり、爪・骨・肉の中にも、内臓器官にも水の性質が存在します。全身の内外に水界が遍く存在します。もし水界がなければ、生命は維持できません。各器官には四大種性(地水火風)が具わり、これらが組み合わさって様々な器官を形成しています。ただ各器官における四大の比率が異なるのです。地性の比率が大きければ物質は堅固性を現し、水の比率が大きければ湿潤性や柔軟性を現します。四大種性の占める比率が異なるため、形成される物質も異なるのです。
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