意根の思量と意識の思惟における違い

問：どうやら意根による思量の使い方が分かってきたような気がします。それは思考で捉えられない心の働きで、意識が介入するとその状態が深く微細でなくなります。これは正しいのでしょうか。この状態は短時間しか続かず、問題の行き詰まりを思量する際に意識を使うと、すぐに深い状態が失われます。 

また座禅中に身体の状態を観察していると、この色身が存在しない感覚が生じ、わずかな覚受と意識で構成された実体のない身体のように感じられます。突然、普段見ている事物は単なる映像や影像が現れたものだと感じ、座禅から出た後も周囲が依然として現実に感じられます。 

答：現在あなたは座禅中に意識が思考しているか、意根が思量しているかを大体区別できるようで、方法も正しく用いています。ただ修行が未熟で自在さに欠けるため、徐々に深めていく必要があります。静寂の中で仏法を考える時、まさに意根を用いるべきで、心の働きは深く微細です。意識を用いると表面的で、隔たりを感じ真髄に迫れません。 

座禅で色身を観察する際に集中が深まると、定力が向上します。定力が深まるにつれ、かえって観察が微細になり色身の知覚が消え、心が空じます。定力は心の働きを緻密にし、普段気付かない事象を観察でき、物事の真実を見抜いて真理を悟ります。禅定中に事物を映像のように感じるのは素晴らしい認識です。これを保持し深化させれば、諸法の虚妄不実を見透かせるでしょう。因縁が熟せば空を証得できます。一切法の悟りは深甚な禅定の中で得られるもので、日常動作の中の定力も座禅の修行に由来し、静中の定が拡張されたものです。