意根の我見を断つことこそが真の我見を断つことであります

六識が滅び去った後も、なお存在するのが我、すなわち意根である。意根が我見を断じていない限り、我見は存続し、依然として我見を有する凡夫である。この時の我見は、覚醒時の我見と全く同一であり、差異はない。意根に我見が存在するが故に、我には見聞覚知がなく六塵を覚えず、六塵において作為できないと錯覚し、六塵の境界を了別せんと心を起こす。如来蔵がこれに応じて六識を生じ、見聞覚知が現前し五陰が出現する。意根は六塵の境界を執取し、見聞覚知を執取し、五陰の造作を執取する。かくして三界世間に繋縛され、解脱を得られない。

故に我見を断ずるには、必ず意根も同時に断じなければならない。意根が我見を断じた後、様々な執取性が軽減され、心は解放され解脱の智慧を得る。死後に至る我見も、生前と全く同一である。よって我見によって五陰身を執取する故に、中有の身及び来世の五陰身が絶えず出生し、再び出生する際の我見も前世と同様である。前世と同じく凡夫身であり、意根は依然として執取と貪着を続ける。かくして衆生は意根の我見によって生生世世の循環を引き起こし、業果は絶えず生死が続くのである。

もし六識が滅ぶと同時に我見が消滅するならば、何と幸いなことであろうか。残念ながらそれは叶わぬ。ただ意識のみが我見を断じても無益であり、根本問題は解決されない。意根が我見を断ずる方策を講じなければならない。