凡夫の意根には遍計所執性という性質があり、遭遇する一切の法に対して執着を生じる可能性があります。ただしその執着の程度や緊急性、方式はそれぞれ異なります。意根が最も強く執着するのは色身と六識の機能作用であり、これらの法が生き生きと現れ、意根がこれらの法から離れられず、常に依存して自己を顕現させるためです。意根は内四大から成る色身を「我」「我のもの」と執着し、色身は意根に最も直接的かつ重大な影響を及ぼします。両者は切っても切れぬ関係にあり、意根の「我」という生命特性を体現し、直接的に制御可能であるため、意根は色身に最も強く執着するのです。
しかし意根は外四大から構成される物質的色法や宇宙器世間にも執着し、これらの法を自己の所有物とみなし、享受できると認識します。これらの法は意根にとって不可分な存在ではなく、あくまで色身の生命維持に必要なものであり、直接的な制御が困難で、意根との関係はより疎遠です。外四大への執着も結局は内四大のためであり、本質的には内四大への執着に帰着します。従って意根の外四大への執着は色身へのそれより軽微です。もし物質的色法に過度の執着を抱く者がいれば、その者は貪執が甚だしく、解脱が困難であることを示しています。
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