ある科学的研究によると、人間の脳は毎秒5回外部環境をスキャンしているというが、その指すところは意根に他ならない。ただし測定機器の精度不足により、実際の頻度はこれほど遅くはない。意根は刹那刹那に六塵の境界を縁取っており、この「縁取る」作用こそ研究報告で言う条件反射、すなわちスキャンに相当する。条件反射は業力・種子・習慣的反応・神経作用など多面的な要素を含み、意根が示す反応である。
意根が触れる一切の法は如来蔵が顕現したものであり、如来蔵が顕現するものに限って意根は縁取ることができる。意根の敏捷さは極めて高く、その縁取る範囲は広大であるため、意識心が把握し得ない領域も多い。意識心の認知範囲は意根に比して狭く、業力・神経系統・身体生理など如来蔵が顕現する諸相は、まず意根によって縁取される。
意根が直接反応を示す場合、二つの要因が考えられる。第一に事態の重大性、第二に慣性作用の即時発現、特に身体に関わる事柄においては、意識の思惟作用を待たずして迅速に反応が生起する。この研究は意識心と意根の本質を深く理解させるとともに、如来蔵が顕現する一切の相分が意根の所縁であることを示している。
意識心の了別範囲が意根に接近するのは、妙観察智を獲得した菩薩の境地に至ってからである。成仏後は両者の了別範囲がほぼ同等となる。如来蔵の顕現する一切の法は、意識心の妙観察智によっても了知可能となる。
研究が示す「心が静寂に至ると霊感が現れる」現象は、意識心が微細化した状態を指す。この時意識心の粗い分別作用は沈静化しているが、その存在は潜在的に持続している。意識心の澄明状態により意根への情報伝達量が減少し、伝達内容も精妙化するため、意根もまた清浄さを増すのである。
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