無分別とはいかにして成るのか

如来蔵の無分別性は、七識の心では成し得難いことであります。如来蔵の無分別状態に近づくとは、すなわち七識の無心の状態を指します。七識の心が無心となる時、一切の法に対していっさい執着せず、もはや心に留めないのでございます。見ても見ず、聞いても聞かず、自他の対立や是非の争いもなく、善悪や是非を問わず、六塵の境界に執着しないのでございます。

しかしながらこの状態は、依然として分別が残っております。色・声・香を識別し、你我他她を認識し、名言概念を有している点において、如来蔵の如く何ものをも知らず、名言概念なき無分別状態とは異なります。畢竟、識心の種類が異なれば、その機能や作用も同じではあり得ないのでございます。