第八識の本体は自ら参究し自ら悟るのみ

第八識は実相の心であり、真実の本体である。我々が口で第八識について論じる時、第八識は我々の心の中の相となる。この相は第八識の本体ではなく、第八識の本体は口にも心にも来ることはない。心の中のあらゆる相、第八識の運行する行相を含めて、すべては幻化された相であり、しかも第八識によって幻化されたものである。論じることは永遠に本体に及ばない。あたかも人を罵ることが永遠に相手の五蘊の身に届かず、また相手の心にも届かないのと同じである。

我々が第八識を論ずる時、ただ心の中の第八識の相を現出させるだけで、実質的な第八識の心体相を他人に見せることはできない。仏でさえ第八識の本体を捧げ出して世人に示すことはできない。したがって禅を参ずるには自ら参究し、己の第八識本体の所在を見出す必要がある。五蘊と七識が接触し得るもの、顕現し得るものは、いずれも本来のありのままの本体の相貌ではなく、本質境でもない。