意識は比較的抽象的なものを思考することが可能であるが、意根は攀縁する法が非常に多いため、了別慧はやや劣っております。抽象的な思惟には容易に対応できず、必ず自ら経験し、眼前で確認して初めて事実と認め、受け入れることができるのです。故に意根が何事かに対して疑念を抱いている場合は、常に心にかけ続け、念々その事柄に意識を向け続けます。経験を経て初めて心中的な疑いを解消することができるのでございます。
「黄河を見ずして心死なず」とはまさに意根の性質を指す言葉でございます。意根は物事の究極の真相に到達しない限り、決して諦めることはありません。何事かに対する疑念が残っている間は執着して放さず、常に真相を探究し続け、もはや進む道がなくなり、南壁に激突するに至って初めて方向を転ずるのであります。
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