人が情執に深く執着するならば、心の奥底では必ず葛藤が絶えず、苦悩が重なるのである。如何にして情執を軽減できるか。最善の方法は世間の無常を観察し、各家庭の無常を観察し、各家庭の結末を観察することである。各人の無常を観察し、各人の結末を観察する。自他の心理における無常の変遷を観察し、これらの世俗法に何の執着すべきものがあるかを仔細に思惟し、更に自らが生生世世にわたり抱いてきた全ての情愛の最終的な結末が如何なるものであったかを思惟する。衆生が無量劫来様々な情愛に浸り続けて得た結果は何か、各人が前世から持ち来たったものは何か、今世死後に持ち去れるものは何かを観察する。何が自己にとって永遠に不変のものか、何が自己にとって最も頼りになるものか、何が永遠に自己に属するものかを観察する。
更に無量劫以来の父母・伴侶・子女・親友及び全ての眷属を観察思惟せよ。彼らは今何処におり、あの情愛は何処へ消えたのか。何故自らは生生世世にわたり輪廻の苦しみを止まないのか。全て自他の情愛に執着するが故に、自らの心を縛って六道輪廻から出られないのである。衆生は何に対しても貪愛を生じ、生死輪廻する。情が根本であり、愛が根本である。これを知れば、もはや生死輪廻の苦の根源を追い求めるべきではなく、貪染の泥沼から徐々に足を引き抜き、漸次に自由と解脱へ向かうべきである。
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