衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2018年06月10日    日曜日     第6 回の開示 合計621回の開示

心所と心王の関係(二)

五遍行心所法のみが常に識心の運行に随伴し、他の心所法、例えば五別境心所法は特定の状況においてのみ作用する。煩悩心所法も恒常的に作用するものではなく、識心の清浄度に応じて次第に減少し滅除される。これを頻繁に用いる者は、必ず煩悩の重き者である。心行が未だ修善されざる者には、善十一心所法の現起は容易でないが、心行が善に転じた者には、善十一心所法が常に現前し、起動する念いが善と相応する。

時に複数の心所法が並行して作用することがある。例えば五遍行心所法は刹那も運行を止めず、同時に識心に欲望が生起すれば欲心所が現れ、念いがあれば念心所が、その念いを自覚すれば慧心所が運行する。さらに慚愧心が生じて欲望や念いを否定すれば善心所が作用する。もし同時に人や事を想起して恨みが生じれば煩悩心所が現前し、この時善心所は生起せず、両者は択一的に作用する。

善悪の心所法は並行し得ず、意識が一法に対して善心を起す時、悪心は現れない。貪心所は悪、不貪は善であり、両者は択一的に存在し、同時に現行しない。瞋は悪、不瞋は善であり、これも択一的に作用する。修行の優れた者は善心所が増加し現行頻度が高く、定力に優れ心清浄な者は善悪の心所共に現起少なく、境に接しても動ぜず不善不悪の状態を保つ。

五別境心所法と五遍行心所法は並行可能であり、善悪いずれかの心所法とも併存し得る。識心に明あれば無明なく、無明あれば明なし。対立する法は同時に現行せず前後に作用する。修行が進み証量が高まるにつれ、日常における心の働きは相対的に簡素化し、並行する心所が減少する。五遍行心所法の現行過程も簡明となり、五別境心所法中では定心所法の現行時間が増長し、欲・念・勝解心所法の現行は稀となり、煩悩心所法の現行は更に少なくなる。

——生如法師の開示
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