修行解脱法門の功徳
原文:その時、世尊は浄飯王に告げたまわく、大王よ。上に説きたまえる解脱の法門は、まさに自ら心を繋ぎ、正念を以て観察し、勇猛精進して決定して修作すべし。過去・未来・現在の諸仏は、これに依りて無上菩提を証得したもう。能く世間の一切の富楽を招き、能く世間の一切の渇愛を消し、能く世間の一切の我慢を伏し、能く世間の一切の邪見を破り、能く有情の一切の罪悪を滅す。未だ初地に登らざる凡夫異生をして、皆な平等の法性を証得せしむ。かくの如き法要は、諸の声聞及び辟支仏の行ずる境界にあらず。ただ諸の菩薩の修作するところなり。
釈:仏は浄飯王に告げたまう、上に説きし解脱法門は、汝自ら心を摂めて正念をもって観察し、かつ勇猛精進して決定して修行すべきなり。過去・未来・現在の諸仏は、皆この解脱門に依りて無上菩提を証得したもう。この解脱法門に依れば、世間法中の大自在と一切の富貴歓楽の果報を得、世間の一切の渇求と貪愛を滅除し、世間の一切の我慢を降伏し、世間の一切の邪見を破り、衆生の一切の罪悪を滅除しう。この解脱法門に依って修行すれば、未だ初地に入らざる凡夫異生をして、ことごとく平等の法性を証得せしむ。かかる修行法門は、声聞や辟支仏の修行する境界にあらず、ただ諸大菩薩方のみが修行証得しうるものなり。
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