十二因縁法

十二縁起の法：無明より行が縁り、行より識が縁るなど、この中の「行」とは身行・口行・意行を指し、「識」とは六識を指します。すると無明は必ず意根の無明を指すことになります。なぜなら意根の無明によって、身口意の行が絶えず生起し運行し、六識は身口意の行を造作せざるを得なくなり、滅することができなくなるからです。

ここでいう無明には、どのような内容が含まれるのでしょうか。必ず全ての無明を含みます。貪・瞋・痴・慢・疑・邪見の六根本煩悩、および二十随煩悩を含みます。意根はこれらの無明煩悩によって、絶えず身口意の行を生起させ現行させ、六識に不断の造作をさせます。そうすると六識は清浄になることができず、無為を得ず、滅することができません。

「六転呼んで染浄依と為す」もこの意味です。一切の法は全て意根によって生起し運行するのであり、例外も特殊な状況もありません。意根は三界世間の一切の法を生じさせる動力と根本原因です。一旦意根の無明が滅尽し、さらに願力がなければ、五蘊世間はたちどころに滅します。

意根に無明煩悩がなければ、六識が無明煩悩業を造作する理由がなく、自在にもできず、主導権も持てません。

法と法は相通じ、独立して存在する法も、他の法に逆行する法もありません。ただ個人が修行する際、これらの法を達観しているかどうかです。達観していない時は、この法はこの法、あの法はあの法と別々で、互いに干渉し合います。達観すれば、法と法は円融し、補い合い助け合い、密接に連関します。仏法を達観すれば、いかなる側面からもこの法を証明でき、あの法も証明でき、より多くの事実と真実を発見し、智慧は円融無礙となります。