業種変造と世界執持による如来蔵

問：娑婆世界以外の世界には、私たちの如来蔵が参与し執持していないのでしょうか。

答：私たちと一時的に縁のない世界においては、私たちの如来蔵は一時的に変現と執持に参与できません。その理由は二つあります。第一にその業種が存在せず、第二に仮に業種があっても、その業種が現行する縁がまだ熟していないため、如来蔵はそこで運作に参与できないのです。ただし、他の全ての世界で如来蔵が参与しないというわけではありません。業種が熟した時、如来蔵はそれを了知し、業種に従ってその世界の変現と執持に参与します。私たちがこの世で命を終えた時、初めてその世界に生まれることができるのです。

例えば地獄の業を造った者がいるとします。その種子が既に貯蔵されている場合、地獄の業縁が熟した時、如来蔵は地獄の変現に参与します。この者が人間界での業縁を終えるやいなや、直ちに地獄に生まれることができ、如来蔵が臨終の際に改めて地獄の境界を変造する必要はありません。私たちと縁のある世界については、私たちがそこに生を受ける以前から、如来蔵は変現に参与しています。そうでなければ、私たちはその世界に生存する条件と資格を得られないからです。

例えば極楽浄土へ往生する場合、善業種を蓄積し、業種の縁が熟せば、如来蔵はそこに蓮華宮殿を変造します。極楽世界の縁が具足した時、私たちは直ちに蓮華の中に座し、極楽浄土に生まれることができます。これは私たちの如来蔵が先見の明を持つことを示しています。如来蔵が了知するのは業種であり、業種の状況を了知した後、先んじて極楽浄土で変現に参与するのです。そうして私たちが命を終えた時、初めてそこに生まれることができます。もし如来蔵が変現に参与しなければ、私たちは極楽浄土に生まれることはできません。なぜ如来蔵が変現に参与しないのかと言えば、極楽浄土との縁がまだ具足していないため、一時的に極楽浄土へ往生できないのです。

では、縁を早く具足させるにはどうすればよいのでしょうか。意根が深く信じ、切なる願いを持ち、一心に極楽浄土を向往することが必要です。意根にその意志がなければなりません。意識心による表面的な発願だけでは不十分です。なぜなら極楽浄土へ往生するか否かは、意根が主導権を握って決定するからです。如来蔵は主に意根の心行を了別します。意根が真に往生を願う時、それは心の深層から発するものであり、如来蔵が意根の思心所を了別すれば、極楽浄土に蓮華宮殿を変造するのです。念仏もまた意根に深く浸透させなければなりません。口先だけで念仏を称えるのでは足りず、意根に念仏の心行がなければ、阿弥陀仏や極楽浄土と相応しません。大多数の念仏者は口で称えながら心では念じておらず、内心は専一ではなく、心は猿や馬のように落ち着きがなく、注意力が散漫です。このような念仏では、ただ法縁を結ぶだけで、到底極楽浄土へ往生することはできません。