修行の四つの次第

信解行証は、修行の四つの次第であり、信は解と同じではなく、解は行と同じではなく、行は証と同じではなく、あるいは証は行と同じではありません。例えば我見を断つことは証ですが、煩悩が同時に消滅するとは限らず、我執が断たれていない場合は、行が具足していないと言えます。また、我見を断った後も、ある法が未だ証得されていないため、煩悩と我執を同時に断じることができないとも説明できます。

さらに例を挙げれば、明心は如来蔵阿頼耶識を証得することですが、煩悩が断たれず、習気が除去されていない場合、行が力強くなく具足しません。これはまた、ある法が未だ証得されていないため行が不十分であり、後にそれらの法を全て証得すれば、行が具足完成することを示しています。明心の後、順次に如幻観・陽炎観・夢幻観・鏡像観・光影観などを証得し、煩悩が消滅し、習気が徐々に除去され、無明が減少し、菩薩の心性が絶えず強化され、菩薩行が完成へと向かいます。前段階の証がなければ、後の行は存在しません。従って、一切の法を証得すれば、行は同時に完成できることになり、これは証に解脱の功徳受用があることを示しています。どの程度の証得にも、相応する解脱の功徳受用があります。つまり初果には初果の功徳受用があり、四果には四果の功徳受用があり、明心には明心の功徳受用があり、各観行菩薩の果位証得にはそれぞれ相応する功徳受用があり、成仏には仏地の功徳受用があります。功徳受用がなければ、証得は存在しません。

最後の法を証得した時、行は完全に具足し、即ち成仏します。故に修行の次第は依然として信解行証であり、証が最終的で最も究極的なものです。証得さえすれば、他の事柄に拘る必要はありません。到着した故に、安らぐことができるからです。