如来蔵による胚胎と根身世界の執持（三）

一切の法は如来蔵であり、表面的現象から見ればあたかもこの法がかの法を生じたかのように見えますが、実は全て如来蔵が一定の縁を借りて生じたものです。外界の全ての現象は表面的で幻のような現象であり、実質は全て如来蔵の機能であります。例えば十二因縁において、無明が行を縁じるとき、無明が本当に身口意の行を生じ得るでしょうか。無明には実体がなく、ただの概念であり、仮の名詞に過ぎません。それは識心ではなく、種子も持たないため、当然いかなる法も生じることはできません。実際には衆生に無明があるがゆえに身口意の行が生じ、その後に行が識を縁じるのです。

身口意の行は何によって生じるのでしょうか。それは如来蔵が一定の外縁を借り、衆生の無明と相まって初めて身口意が生起し存在するのです。身口意の行が六識を生じ得るでしょうか。決してできません。衆生が身口意の行を持つがゆえに六識が絶えず現行し作用するのであり、六識を生じたのは何でしょうか。もちろん如来蔵であり、身口意の行ではありません。なぜなら身口意の行には実体も種子もなく、いかなる法も生じ得ないからです。実質的には根塵の縁があることにより、如来蔵が六識を生じるのです。十二因縁法は鎖のように次々と繋がり、前の鎖が縁となり、次の鎖を生じる因は全て如来蔵であります。

三界世間のいかなる法も、如来蔵が執持しなければ壊滅し消滅し、存在し得ず、私たちが触れることもできません。如来蔵がなければ、まず私たち自身も存在せず、ましてや三界世間などあり得ません。世間のいかなる法も如来蔵によって執持され、外側の現象は縁であり、内側の実質は全て如来蔵であります。

一切の法の生住異滅、地球の壊滅も、全て如来蔵がその中で作用しています。如来蔵を離れ自性を持ち、独立して存在し得る法はありません。表面的現象が真実のように見え、独立して存在し、自生自滅できるかのように見えても、実はそうではなく、全て如来蔵の執持作用によるものです。地球があたかも自ら生滅しているように見え、家の窓や椅子、腰掛けなどが自ら徐々に変異し最後に壊滅するように見えても、実はそのようなことはなく、全て如来蔵が四大種を輸送して生住異変を生じさせたことにより、それらの表面的現象が現れるのです。