また例えば、物体の運動における余勢の作用について、余勢とは何かと言えば、真実の余勢というものは存在せず、物体の余勢や慣性の作用は全て虚妄の表面的現象であり、実質的には存在しません。これらは全て如来蔵の執持作用であり、如来蔵の作用の現れです。例えば我々がサッカーをする時、足で蹴り出すとボールは空中を飛びますが、あたかも足が空中運動の力を与え、余勢や慣性の作用を持たせたかのように見えます。しかし実際には、これら全ては如来蔵の運作によるものであり、ボールが如来蔵の執持作用を離れれば、空中を飛ぶことは不可能です。我々がどれほど強く蹴っても空中を飛ぶことはなく、ここには全て如来蔵の執持作用が関与しており、それは四大種子を通じて物体に様々な作用を及ぼしているのです。
如来蔵が身根・器界・業種に対して及ぼす執持作用、一切法への変造と執持作用は、甚深なる唯識種智の内容です。我々が現時点で知るべきは、一切法が独立して存在するものではなく、独立した生住異滅の現象も存在せず、独立した機能作用もなく、全て如来蔵と密接に関連しているということです。これにより、世間の一切法に対する虚妄倒錯の想いを滅し、誤った認識を除くことができ、やがて人法二無我を証得し、甚深なる大乗の智慧を具え、菩提の道において速やかに進歩し、煩悩苦悩や憂患を離れ、最終的に究竟涅槃に至るのです。
解脱般若唯識七群へようこそ 238324425
1
+1