証法は六七識を同時に証得する必要があります

真に一切の法を証得するとは、第六識と第七識が同時に証得し、同時に認可されるものであります。もし意識心のみが如何なる状態を認識しても、意根が認可せず、六識の認可する理を理解しないならば、意根は熏習に成功しておらず、仏法を証得していないことになります。身心世界の転換も起こり得ません。なぜなら意識は表面に浮かび、思惟は浅く、自主性を持たず、深層の意根の主導に完全に依存しているからです。意根が染まっていない場合、従来の認知によって意識の一切の行為造作を主導し続け、意識単独の見解は本来の作用を発揮できません。

意根は主導識、すなわち通常「内心深層の潜在意識」と呼ばれるものであります。意根の深層が認可する事理があれば、身口意行をその理に従って行わせます。我執を断つ前の意根には未だ執着と煩悩があり、証得した理に完全に従って選択することはできませんが、観念において既に転換を遂げています。意根が煩悩と我執を断じた時、内心に我が存在しなくなり、熏習は完全に成就します。

意識の思惟過程は、意根が理を明らかにする過程そのものであり、必ず経なければならない段階であります。意識は必ず思惟し、深く思索しなければなりません。思惟しなければ意根は理を明らかにできません。意識心が理解した理を意根が未だ把握していない場合、身口意行は変化しません。意根は意識が思惟する情報内容に依存して初めて、意識が明らかにしたこれらの理を知ることができます。意識心が思惟しなければ、意根に伝達する情報がなく、意根は了別できず、理を明らかにすることができず、観念の変化を促すことも、身口意行を改めることもできません。従って我々が仏法を修学するには、善く思惟し、意識心を活用し、理法に適った思惟観行を行う必要があります。仏法修行において意識を常に無念想・無覚知の状態に置いたり、閑却させてはなりません。そうでなければ深く理を明らかにできず、智慧も増長されないからであります。