修定の原理と目標

一般人の意識は、睡眠時に断滅して間断が生じ、識の種子が現れない時を除き、常に意識が存在し、識の種子は絶えることがありません。ただ識の種子が諸法に分散しており、集中していないため、了別する慧の力が弱く、智慧が乏しく、思惟が緻密でないのです。修定とは意識の識の流注を少数、あるいは一つの法に集中させ、了別の勢力を大きくし、智慧を強化することです。これが一つの側面。もう一つの側面として、意根が他の法塵に作意して攀縁することを減らし、少数の法塵に定まり、作意を集中させ、心を緻密にし、思量を明晰にさせ、智慧を生起させて法を証得させるのです。

例えば身根が緩やかに運転する際、意識を身根の活動に定め、意根も身根の活動に作意すれば、意根を繋ぎ止めることができます。このように意根が身根の活動に専注し、攀縁を減らせば、如来蔵は他の法塵を現起させず、意根が注意力を分散するのを防ぎます。この時意根と意識は、身根の活動が機械仕掛けの如く、傀儡の様であることに気付くでしょう。これはまさに「我」ではなく、このように自らに由らないものは根本的に「我」でないと悟り、そうして身見を断つのです。実際、意識は早くから身体が「我」でないことを知っており、修定なしでも理解していますが、ただ意根が内心で確信できないだけです。修定は意根を定め、意識が導き出した結論を専心して思量させるためです。意根が現量観察を得て、意識の結論を実証するのです。身根の活動が緩慢になる過程において、意根は遂に機械的な身根が「我」ではなく、「我」に属さないことを観察し、そうして小乗の頓悟を得て豁然大悟するのです。