第八識には我相がありません。それ自体が真実の我であるとか、真の心であるという観念や知見を持たないのです。我々の五蘊十八界の法は全て第八識から生じ、それによって変現されるものであり、故に全ては不実なるもの、生滅するもの、変化しうるものであり、つまり無常であります。縁によって生じた法は全て頼りにならず、自主性がなく、空幻なるものです。これを証得して初めて我見を断ち、人我を離れ、阿羅漢の初果を証し、三縛結の束縛を解き、三悪道に堕ちることを免れます。未来においてただ人間界で苦報を受けるのみとなり、四果阿羅漢を証得して命終すれば無余涅槃に入り、暫く三界の生死から解脱するのであります。
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