催眠の作用

五蓋（貪欲・瞋恚・睡眠・掉悔・疑惑）の覆いが初禅定の発起を妨げる。これは意根の五蓋の心結びが禅定を阻むもので、意根の心結びが解けた時、覆いが除かれ禅定が生じる。

心結びを解くには催眠法を用いることができる。催眠状態では意識の覆いがなく、意根が自らに向き合い、己の心結びを述べ立てる。催眠師の導きにより懺悔等の形式を通じて心結びを解けば、内心は忽ち軽くなり、万鈞の重荷を下ろしたようになる。

日常では意識が体面を気にして自らに向き合わず、意根が内心の結縛を表出するのを覆い隠すため、結節は解けない。しかし意根は率直で体面を気にせず、あるがままを語る。催眠師を信じれば降伏され、自らを改め業種業縁を消滅させ問題を解決できる。心結びが多く体面を重んじる者は意識の関門を通れず、意識が他人の意根窺見を阻むため、催眠法によってのみ内在的問題を解決できる。故に表面の懺悔は意識の懺悔であり、意根が懺悔せねば業種は消えず、意根が覚知して初めて業種は消滅する。

意根の無明を一つずつ解決すれば成仏の道は早まり、膨大な仏経を読破し三蔵十二部を暗記する労も要らず、坐したまま心の結びを解き、無明を徐々に破り成仏が早まる。神通も現れ、道力も増強される。

治病は根を治すべきで、この根とは意根である。慧根も善根も皆意根に属す。幼子を見れば善根福徳ある者がいるが、これは意識か意根か。生来のものは意識でなく、前世で熏習された意根の所産である。幼くして結跏趺坐する子は前世の習性を、琴譜を作る子は意根の慧力を、生来寛容な者は前世の熏習をそれぞれ継ぐのである。