前五識と第六識の区別は、第六識が往々にして前五識と共に分別し、分析・思惟・推理・判断・感知・研究などの心理活動を生起することにある。五識は五塵の粗相を了別し、第六識は五塵の細相を了別する。第六識が五識と共に分別しない場合は独頭意識であり、妄想にふける第六識は独頭意識であり、あれこれ思い巡らす第六識も独頭意識であり、夢中の識心活動も独頭意識である。例えば人を見るとき、意識は分析を通じて、その人に気品や教養、文化、徳行があることを了別し、その人の年齢がおおよそどれほどか、男女の別、性格や気質などを了別する。これらは全て第六識が了別する内容である。
意識は一般的に五識と共に五塵を了別する。五識が分別するのは粗い色・声・香・味・触であり、意識が分別するのは細かな色・声・香・味・触である。この細かな色・声・香・味・触がいわゆる法塵である。例えば眼根が色塵に触れると第八識が眼識を生じ、意根が色塵上の法塵に触れると第八識が意識を生じる。そこで眼識は意識と共に色塵を分別し、これによって色塵が何であるかを明瞭に了別できる。例えば炊飯器を見るとき、眼識は炊飯器の色を知り、意識は炊飯器の形状・新旧・品質・具体的な大きさ・構成・材料などを知る。実際、眼が色を見るのは眼識と意識が共同で了別するのであり、眼根に見る性質があるからといって物が見えるわけではない。死者にも眼根はあるが、眼識と意識がないため色を見ることができない。色を見るとき、色彩や明暗などの情報を分別できるのは眼識であり、これ以外に物体の大小・方円・長短およびその他の法塵を分別する識心が意識心である。
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