意識は、五俱意識と独頭意識の二種に分けられます。五識と共にある時に了別作用を起こすものを五俱意識と称し、五識と共に在らずして単独で作用し得るものを独頭意識と申します。眼識と共にあるこの意識心は、色を見る際に当の色塵の質量・由来・内実を同時に分析し、この色塵が如何に無味なものか或いは如何に興味深いものかを判じ、ここに色に対する感受、色の分別、色の了知、色の判断を生起せしめます。これら全てが意識心の分別作用であります。
意識心は如何なる因縁によって現起するのでしょうか。意識心の現起には、眼根・色塵・意根・第八識・自らの識種子等の縁が必須であります。これらの因縁条件の存在によって、我々の意識は現前し得、色塵の具体的な内実を分別し、色を了別し、色を判断し、色を思惟し、色の処理を打算し、色を推測するのであります。これこそ眼識と共にある意識心の働きであり、一つでも条件を欠けば意識は出生せず、了別を生起し得ません。ここに我々の意識心が如何に虚妄なるものかを知る所以であります。
6
+1