繁中日語

日常開示

2018年03月12日月曜日第5 回の開示 合計193回の開示

意識を我とする我見の断除（五）

鼻識と共にある意識心、鼻識と共に香りを嗅ぎ分ける意識、それは香りの性質・由来・種類・程度・危害性の有無・自己及び環境への影響などを分別し、更に如何に対処し如何に向き合うかを思考する。この意識の現起には多くの条件が必要である。外界の香塵、即ち芳香であれ悪臭であれ如何なる匂いであれ、この香塵が生じなければならない。また意根・第八識・意識自身の種子・鼻根・鼻識といった因縁条件が備わって初めて、我々の意識心は現前し分別作用を発揮し得る。

意識心が現前すると、この香りが何の物体から発せられたかを了知し、その種類・香りの程度・臭気の強さ・距離を弁別する。そして喜びの心・嫌悪の心・様々な覚受を生起し、この香塵に対し分析・打算・判断・思惟・推理を加える。これら全ての作用は意識心の働きである。意識心の生起には第八識が因となり、更に様々な縁が必要である。これらの因縁が集結して初めて意識心は生じ、その後で分別・推理・判断・思惟等の一連の心理活動が生起する。故にこの意識心は生滅を繰り返し、不自在・不自主・虚妄無常なるものであって、決して真我では無いのである。

——生如法師の開示

意識を我とする我見を断ずる（四）

意識を我とする我見の断除（六）