意識心が単独で行う思考活動は、五識と共に存在しないものであり、それを独頭意識と呼びます。例えば、私たちが仏法や教義を思索したり、禅思にふけったり、回想に耽ったり、夢想を巡らせたり、心中で思案するなど、これらの多様な思考活動は散乱独頭意識です。また、禅定の中で自心に現れる様々な境地を了知し、これがどのような境界であり、どのような意義を有し、いかなる内包を持つかを分別する時、内面にさまざまな感受が生起し、多様な思考活動が現れます。これが禅定中の独頭意識であり、五識と共に行わない了別活動です。さらに夢中の独頭意識として、私たちが夢の中で展開する活動や諸々の夢境を了別する行為、これら全ては意識心の単独活動です。これらの活動が現れるためには数多くの条件が具足されねばならず、一つの条件が欠けても独頭意識は顕現しません。独頭意識が現れない時、私たちはこれらの思惟活動・了別活動・分析活動・打算活動・観行活動を行うことができず、一切の活動は消失してしまうのです。
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