意根定の表現

定とは、動かないこと、あるいは動きが少ないこと、あるいはゆっくり動くこと、あるいは滅することである。動とは、身・口・意の行いが生起し活動することである。不動とは、身・口・意の行いが活動しないことであり、少動とは活動が少ないことであり、慢動とは身・口・意の行いが遅く微弱に動くことであり、滅とは身・口・意の行いが停止し消滅することである。

これらの動と不動・少動・慢動および滅は、誰が指揮し決定しているのであろうか。意根以外に存在せず、意識にはこの機能がなく、五識にはなおさらない。第八識は意根の指示に従い、決して無用なことを起こさず、問題を作り出さない。

意識が意根を降伏させると、意根は安穏となり、攀縁性が軽減され、攀縁する法が次第に減少する。やがて心の働きにおいては「余計なことをするよりは何事もない方が良い」となり、造作が減り、一部の心行と造作が滅し、指揮棒を握って第八識を指揮しながら前六識を操り、忙殺されることもなくなる。

このように身体の行為造作が減少・緩慢・軽減され、眼は見ず、耳は聴かず、鼻は嗅がず、舌は味わわず、身は触れず、四肢は動かず、頭も動かず、ついには外的身行が全て停止し五識が滅する。四禅に至ると、意根は色身を制御せず、身体に執着しなくなるため、色身を再び動かそうとしなくなる。そこで呼吸が止み、心拍が止み、脈拍が止み、あたかも死者のようになる。しかし意根はまだ了知性を滅することを望まず、知りたいと思うため、意識は滅せず、了知性を保持する。ただその了知性は極めて微弱で、動きは極めて遅く緩やかとなる。

口の行いにおいては、声が次第に小さく・遅く・低く・微弱になり、ついには消失し無音となる。さらに少しでも声を出そうとすれば、意根がそれを望まず、意識は非常に疲労を感じ、意根は発声を停止することを決断する。

意の行いにおいては、最初は妄念が乱れ飛ぶが、次第に念頭が減少・専一となり、最後には弱まり消滅し、ただ一つの覚知のみが残る。反観力が消失し、さらに最後には覚知性の反観力も見えなくなり、無想定に入る。無想定の後、意根は境界を受領し覚知することを望まなくなり、二つの心所を滅して滅尽定に入る。よって明らかなように、定とは最も重要なのは意根を定めることであり、ただ六識を定めても無意味である。意根が六識をどうするかを望めば、六識はその通りにせざるを得ず、六識に何を了別させるか、どれだけ了別させるか、どの程度了別させるかは全て意根次第である。六識に自主権など存在しようか。六識が定まろうとしても意根が望まなければ、六識は造作せざるを得ず、意根が睡眠を望まなければ六識は働き続け、決して意根の指揮棒から逃れられない。意根を降伏させずして、どうして定まることができようか。定を修するにはこの一つの道のみ存在し、他に方法はない。定とは、即ち意根の定なのである！