作意心所法は種子位において最初に作用する

如来蔵は後頭部の勝義根において色・声・香・味・触・法の六塵を顕現する際、必ず前五塵が先に顕現される。前五塵とは粗い色・声・香・味・触であり、まずこの粗い五塵を顕現して前五識に了別させ、その粗い前五塵の外側に微細な法塵（法処所摂色）を顕現する。根と塵が触れ合うと六識が生じ、根・塵・識の三者和合によって触が成立すると、六識は六塵を了別できる。粗い色・声・香・味・触が先に顕現されるため、五根は当然五塵に先に触れ、前五識が先に生起して五塵を了別し、次の刹那に微細な法塵が顕現されて意根が法塵に触れ、意識が生起して法塵を了別する。意識は必ず前五識より後に生起する。これが第一刹那に前五識が粗い五塵を了別し、第二刹那に意識が微細な法処所摂色を了別する理である。第三刹那以降は五識と意識が和合して共同で六塵法を了別し、この了別作用が終息するまで継続する。

『成唯識論』に説かれるように、最初の六識の作意心所は六識生起後の作意ではない。第七識も同様に、六塵を了別する最初の作意は必ず種子位において最初に起こり、種子位で作意した後に識種子が現行して六識が活動を開始する。識種子の現行には方向と処所が必要であり、目標なく漫然と生起することはない。もし六識が遭遇する法を無秩序に了別すれば、衆生の生活は混乱を極め何事も成し得ない。種子位で作意せず特定の法を指向しなければ、識種子はどこに生起すべきか定まらない。故に作意心所法は種子位において最初に作用を開始するのである。