意根である第七識の作意心所は、最初に種子位においても六塵に対して作意を生じ始める。作意した後は六塵に対して触・受・想・思の心所の運行が生じ、意根が六塵を了別しようと決意すると、六識が続いて出生する。第七識の識の種子も出生する場所が必要であり、無作為にどの法と出会っても識の種子が出生するわけではない。そうなると衆生の心はさらに乱雑な状態となり、衆生はほとんど安寧な日々を過ごせなくなる。六識の識の種子も出生する場所を必要とし、種子位で作意しなければ、識の種子は無作為に遍く出生し、六識は混乱し、衆生は途方に暮れてしまう。したがって識の種子はまず出生する場所を持たねばならず、種子位で先に作意し、その後で種子が出生する。出生した後、六識は直接六塵に触れ、触心所は識が生じた後に運行する。もし六識が最終的な決断心を生起できなければ、再び六塵に対して作意を生じる。この時の作意は六識が現行した後の作意であり、種子位の作意ではない。
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