六根が六塵に触れることで、六識が生じます。六根と六塵を合わせて十二入と呼びます。六根とは勝義根を指し、後頭部に位置します。五つの勝義根に意根を加えたものが六根であり、内六入とも称されます。六塵とは内五塵に法処所摂色を加えた内六塵であり、外六入とも呼ばれます。内六入と外六入を合わせて十二入と称します。根と塵は必ず共に存在し、内五塵は後頭部の勝義根において生じ、第八識が五塵に依って法処所摂色を変起し、意根と接触します。根と塵が共にあることで接触が成立し、接触後に第八識が六識を生じさせるのです。
根塵相触とは、根と塵が必ず共にあることを意味します。五つの勝義根が後頭部に位置するため、五塵も後頭部の勝義根において顕現します。内五塵は必ず勝義根の後頭部で生じるため、根と塵は共に存在し接触します。この接触により第八識は五識を生起させると同時に、法塵も後頭部の勝義根において意根と接触し五識を生じさせます。意識も必然的に生起し、五識と同時に六塵を分別します。これを五俱意識と呼びます。
六根が六塵に触れることで六識が生起し、その後三者が和合して再び六塵に触れることで六塵を了別します。根と塵は常に接触を続けており、接触が途絶えれば六識は滅します。六識が再び六塵に触れると領納性が生じ、六塵を受容します。六塵を受容した後、六識は六塵を了別し執取します。これが想心所の現れる段階です。
六塵を了別した後、六識は思量を開始します。思量が不分明な場合は再び作意を起こし、六塵に対して新たに注意を向けます。作意後に再び了別と感受が生じ、この段階の感受には苦楽憂喜捨の受覚が伴います。初期の受は単なる受容ですが、次第に情緒的な色彩を帯びてきます。
感受が不明瞭な場合は再び相を取って了別し、想心所が再び生起します。想心所が生起すると相を了別し思量を開始します。思量が不分明な場合は再接触を繰り返し、触・了別・感受を経て最終的に事柄を明瞭に理解します。六識が決定心を生じると造作が開始されます。
六識の了別内容は意根にも伝達されます。意根は同時に六識の了別した六塵境界に対し、五遍行心所法を運行させ一連の心理活動を生起させます。最終的に意根が決定心を生じると、第八識は意根の思量決定に従って作意と協調して運行します。第八識は意根の作意対象を了知し、当該法塵において六識を現起させます。六識が現起すると身口意行の造作が開始されます。
意根の思量が不分明な場合、触・作意・受・了別を繰り返し最終決定に至ります。決定前は五遍行心所が循環運行し、その順序は必ずしも作意・触・受・想・思の順を踏むとは限りません。触が先行し了別が後続する場合もあれば、受と了別の順序が逆転する場合もあります。
心所の前後関係は不定で、初期の順序は作意から始まります。作意は種子位において法塵に対応して生起し、種子が生じると意根は法塵と接触します。作意対象の法塵に応じて種子が生じ識心が形成され、法塵と接触します。これは作意→種子発生→識心形成→触という順序を経ます。
接触後は領納が生じ、相を取って了別し、思量に至ります。思量不分明時は再接触を繰り返し、その過程で心所の順序が乱れる場合があります。初期の心所法の運行順序は作意・触・受・想・思となりますが、後続する過程では順序が変化する可能性があります。
2
+1