実証こそ生死の大問題を解決する

もしもすべての人々が大念住経の方法に従って修行することができれば、小乗の成就は速やかに得られ、禅定は必ず成就するでしょう。しかし現代人の心はあまりにも散乱しており、これらの観行を完成することができません。仏陀が在世の時、比丘たちは皆このように修行しておりました。

現在において、私たちが修行に必要とする大小乗の理論部分はほぼ十分に整っております。足りないのは実践面のみであり、実際の修行においては必ず戒・定・慧を修め、菩薩の六波羅蜜修行、特に福德と禅定の両面の修行を完成させねばなりません。個人での修行が困難であれば、共修が必要となります。仏陀在世中には共修を指導されることはなく、各自が結跏趺坐して観行し、仏の説かれた法を思惟することによって証果を得ておりました。

現代人は生活や仕事に追われ、坐禅する時間がありません。しかし禅定が実際に向上せず、思惟が浅薄で緻密さを欠くため、法を証することができないというのも事実です。静座後の定と、ただ行住坐臥の中にある定との隔たりの大きさは、静座を経験した者でなければ実感できません。自ら方法を考え、自らに責任を負わねばなりません。多くの理論を知っているからといって道を得たのではなく、滔々と語れるからといって道を得たのではないのです。実証後にあっては、たとえ弁舌巧みでなくとも道を得ており、弁舌巧みでも実証がなければ道ではありません。

実証こそが生死の大問題を解決します。いかなる法も道業より重要なものはなく、命を賭しても道業を成就せねばなりません。そうでなければ、世俗法でどれほど成功しようとも、何の役に立つでしょうか。